2008年12月30日火曜日

Cisalpino チザルピーノ


BASEL SBB 12:30 ⇒ MILANO CENTRALE 16:40
 
シティナイトラインでバーゼル駅に到着後、約2時間の待ち合わせで乗ったのがチザルピーノ・47列車です。バーゼルの繁華街は駅からちょっと距離があるのでトラムかバスに乗らなければ行けそうにありません。駅周辺は店もあまりなく、待ち時間はちょっと退屈でした。
駅構内に戻ってみると、わりと早くから列車は入線していました。あとで気づいたのですがチザルピーノの塗装が新しいものになっています。写真のようなシルバーグレーに青い線が入るものです。おそらく、まもなく登場の第二世代チザルピーノ、ETR610型に合わせた新塗装なんでしょう。9両編成の列車のうち、1等車のドアは黄色、2等車のドアは緑で色分けされています。
 

1等車の車内は1列+2列のゆったりとした3列シートで快適ですが、振り子式車両のせいでしょうか、見た感じは少し狭く感じてしまいます。2等車だとより強く感じるかも。自分たちの乗った3号車の荷物置き場は車内販売のワゴンと補充商品などに占拠されていて荷物を置けません。仕方ないので反対側の狭いスペースに置きました。座席指定を取ってある黄色い紙を見ると、八割方の席は埋まっているようです。窓のブラインドは電動式で動くもので、自分たちの座った席のものは壊れていて閉まりません。僕みたいに車窓を楽しみにする人だからいいけれど、手動では閉められないので、日差しが強くて嫌な人には不便そうです。
となりの4号車は食堂車です。イタリアンのコース料理を楽しめるとあったので、きちんと予約も入れて楽しみにしていましたが・・・
 

12時30分、列車はバーゼル駅を出発しました。食堂車の予約時刻は13時からです。ちょっと早いですが食堂車に行ってみると、もう席は埋まっています。予約の受付なんか無視して来た人から順に座らせていってしまっているのです。これがまず1つめのショック。サラリーマン風の2人が席を移って替わってくれたので、なんとか座ることは出来ました。30ユーロのコースを頼もうと思ったのですが、第一の皿・第二の皿・メイン、それぞれ3~4種類から選べるはずがどれも1つしかないと言われてしまいます。これが2つめのショック。仕方ないのでそれでかまわないからとお願いします。料理はレンジで温めてお皿に移し変えるくらいの調理にもかかわらず、なかなか出てこない。しかも途中で付け合せサラダの生野菜が切れたので・・・と言われて温野菜に変わってしまう。十分に材料を積んでいないようです。これもまたショック。コースなんて頼むんじゃなかったと後悔です。席を移ってくれたサラリーマン風の2人のように本日の皿だけ頼めばよかったと思いました。
そのサラリーマン風の2人ですが食べ終わってお会計をしたい素振りをしているのに、たった1人の食堂車スタッフは忙しくてなかなか来れません。そうこうしているうちにベルンに到着、2人は降りていってしまいました。まったくどうしようもない食堂車です。食堂車の席につく人もあまりの遅さに途中で帰る人続出。僕たちはずいぶん辛抱強く待っていたほうですが途中で帰りました。ボトルワインとフルーツの盛り合わせを出してもらっていないと文句を言うと、置いてあるのを持ってっていいよ、という始末。人員が少ないという根本的な問題が解決されない限りこれはダメでしょうね。4時間強の乗車時間のうち半分くらいを食堂車で過ごしましたが、とんだイタリアンです↓
後日、もう一度チザルピーノに乗車する予定ですが朝食は駅で買っておいて乗り込もうと決意しました。

City Night Line


KOBENHAVN H 18:53 ⇒ BASEL SBB 10:37 +1
 
今回の旅の中でも1,2を争うくらいのメインイベント、寝台列車・シティナイトラインへの乗車です。ドイツ国鉄が中心になって運営している夜行列車です。今回、乗車したのはコペンハーゲンからバーゼルまでのオーロラ号。夜7時前に出て、朝10時半過ぎの到着ですから、なかなかの長時間乗車になります。コペンハーゲン中央駅で出発ホームに降りてみるとバーゼル行きのオーロラ号はたった3両だけで、他のミュンヘン行き、アムステルダム行きと併結されてホームに停車しています。途中どこの駅だかわかりませんが切り離しを行い、また、別の場所(プラハ・ワルシャワ)から走ってきた編成と連結してバーゼルに向かうのです。需要の少ない夜行列車を効率よく走らせていて、なかなか手の込んだ運用だな、と思います。
 

さっそく車内に入ってみましょう。自分たちの乗った車両は2階建て構造の客車で上へ上る階段と下へ下る階段がそれぞれ5段ほどあり、ドアを開け個室になります。1等デラックス個室は2階部分に位置し、エコノミー個室2部屋分のスペースを割いてシャワールームやトイレ、テーブルと椅子が配されています。
列車としては思い切ってスペースを割いたものだと思いますが、入ってみるとやっぱり狭苦しさがありました。まず、写真がうまく撮れない!ベッドやシャワールームなど写真に撮りたかったのですが、スペースの都合でなかなかいいアングルに出来ない。シティナイトラインの紹介サイトの写真はホントうまく撮ったもんだな、と感心しちゃいます(笑)
 
個室内にはウェルカムドリンクのオレンジジュースとミネラルウォーターが置かれていました。そして、すぐ車両を担当する係りの方が来て、シャワーやエアコンなどの使い方、一通りの説明をしてくれます。そして、翌朝の朝食は何時にするか、飲み物は何にするかを伺っていきました。到着が遅い列車なので朝食は朝8時半でお願いしました。
 

バーゼルへ向かうオーロラ号は3両きりですが、他のミュンヘン行きには食堂車が連結されていました。自分たちの個室からは何両も行ったところで遠かったのですが、夕食をとりに出掛けます。食堂車は1両のうち2/3くらいが立ち飲みのバースペース、残りの1/3が座って食事できるスペースで6テーブルしかありません。また、料理は電子レンジで温めるものが中心ですが、きちんときれいなお皿に盛って提供してくれます。食堂車を担当する係員は1人しかいないようなので、早くに食堂車に行き、早くにオーダーを出しておいて正解でした。食堂車は雰囲気を出すためなのか、とても薄暗く料理の写真はなしですが、肉料理、ソーセージ、豆とベーコンのスープなど頼みました。
 
食堂車への行き来で途中の車両をこれでもかと見ましたが、空きが多い・・・。クシェットや座席車など、好まれないのかな。旅行で安く上げられる手段ですが、やはり夜行列車って難しいのかな、と考えさせられました。
食事も済ませたので、部屋に帰ってシャワーにします。シャワーは湯量も多く、日本の寝台列車のように時間制限もありませんから、ゆっくりと浴びることが出来ました。
 

夜中、わりとぐっすり眠ることが出来ました。ただ、朝早くに目覚めてしまい、それからずっと明けてくる車窓を眺めて過ごしました。デンマークのコペンハーゲンを出発し、ドイツを北から南へ駆け抜けてスイス国境のバーゼルまで、寝ているあいだにドイツをずっと走ってきたことになります。
 
朝食前にもう一度シャワーを浴びます。そして、昨日約束した時間に朝食がサーブされました。ハムとチーズ、ヨーグルト、パンは温められています。コーヒーのお替りも持ってきていただき、十分な朝食でした。